本州縦断すると1600km超えるそうです
『ランニング思考~本州縦断マラソン1648kmを走って学んだこと』
(先に念のため言っておきますが、僕が走ったわけではありません、、本のタイトルです…)
外資系金融でのキャリアから、若くしてNPO法人を設立、日本初のマイクロファイナンス投資ファンドを企画するなど、途上国の貧困層の支援に取り組まれている慎泰俊さんの著書です。
ランニング思考──本州縦断マラソン1648kmを走って学んだこと
- 作者: 慎泰俊
- 出版社/メーカー: 晶文社
- 発売日: 2015/10/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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お会いしたことはないのですが、それもそのはず、僕が参加しているウルトラマラソンとは距離・過酷さのレベルが段違いの国内有数のレースに出場されているのです。
自身も本書で綴っているとおり、タイムを伸ばしたり、身体を鍛えるためのトレーニング法やテクニック論などのノウハウ本ではなく、長い距離を走り続けることで、心を整えることができ、冷静に物事を見つめられるような余裕が生まれてくるという効能について語られています。
配られたカードでどうプレイするか。
走っている間、風雨、寒暖など自然の猛威の前には抗うことができず、人間はとてもちっぽけな存在。これはどんなに練習を積み、準備してきても、自分の力だけではどうにもならない部分。
ところが、たしかに「雨が降ってきたせいで完走できなかったよ」「気温がここまで上がらなければ納得いく走りができたはずなのに!」「寝不足で体調わるかったせいだ」のように、環境を言い訳にくやしがるランナーをほとんど見たことがありません。天気は自分だけに降りかかってきたものではないし、体調や睡眠、練習も自分のマネージメントの範囲内なのです。(大反省…)
”自分に配られたカード(環境)に一喜一憂するのではなく、そのカードでどうプレイするかに時間を費やして努力したほうが、人生に対してはるかに大きな違いをもたらすことができる” という言葉にはとても説得力がありました。
また、リタイアしてしまったレースで、応援してくれる友人・仲間からの「そんなにムリしないで」「健康が大事だよ」という言葉に対して、「そんな言われ方をしたら力が抜けてしまう、『もっとやれる!』『あと○kmがんばれ!』と励ましてくれればよかったのに、という批判めいた気持ちを発信してしまい、後からそのことを猛省しているくだりが印象的でした。
「そもそもレースの途中で余裕のない様子を周囲に見せてしまっている時点で自分は甘い。応援のせいにしている時点で他責なのだ」というのです。頭が下がります。
本書では、宮本武蔵や西郷隆盛など偉人たちが残した、何事にも動じない精神状態の大切さや、人は成功すると名声を得てすぐに慢心し横柄になり、転落するから常に驕らず、謙虚に目標に向かって邁進し続けなければいけない、といった有難い言葉が数多く紹介されています。
蜂の死骸に注意
各ウルトラマラソンのレースや、本州縦断を成し遂げるまでの奮闘記も読みゴタエあって、途中リタイアのリスクを最小化するために、「車に轢かれないようにするコツ」「蜂の攻撃を退避する方法」「熊との遭遇を避けるには」などにも触れられていて、特に蜂のかわしかたの部分は入念に3回くらい読みました。(スズメバチの死骸が沢山落ちているところにさしかかったら要警戒だそうです、、死骸はぜったいに踏んじゃいけないみたいです…汗)
案の定、早くもレースにエントリーしたい衝動に駆られまくっていますが、冷静さを欠いた行動は慎まなくてはいけません。謙虚にコツコツがんばります。