優れたリーダーとは?
『最速の仕事術はプログラマーが知っている』
「システムが正常に動かない、なぜだ!?」
「リリースが迫ってる、開発期間を短縮できないだろうか」
「いろいろ仕様を盛り込んでみたはずなんだけど、使ってもらえなくて無駄になってしまった…」
日々発注者側から矢継ぎ早に追加・修正される要件、迫りくる納期と発生するバグと格闘しながら、「最速」を追求しシステム開発に奔走しているプログラマの仕事にこそ、あらゆる職業に従事する人たちが仕事の成果・生産性を最大化するためのテクニックが満載なのだ、という新しい視点の書籍です。
・ファイルの整理の仕方(ディレクトリ構造)
・ミスの振り返りと改善の連続(バグを取り除く作業;デバッグ)
・問題解決力(バグの原因特定プロセス)
・仕事のダンドリ(アーキテクチャの設計)
・想定外のトラブル・事象への備え(フェイルセーフ)
・事前に行動計画を入念に準備(プリフェッチ)
・いつもやることをスリムに(アルゴリズム、ループの最適化)
・仕事を細分化して効率化(パイプライン処理、マルチスレッディング)
など、プログラミングの際に使われるテクニックはそれ以外の業務や生活にも活用できるものばかり。
優れているリーダーとは?
また、プロジェクトを成功に導く力もプログラマ(≒プロジェクトマネジャー)としての手腕にかかっていることから、本書では優れたリーダー論についても触れられています。さて、どのようなリーダーが優れているのでしょうか?
「尊敬される人?」
「フェアな人?」
「相談や意見に耳を傾けてくれる人?」
どれも違うのだそうです。
それは、「仕事を完遂できる人」。
そして、Google社の自社社員を対象とした分析によれば、「行動や反応を予測しやすい人がリーダーとして成功しやすい」というのです。
行動や判断に一貫性があり、バランス感覚に優れている人と言えばわかりやすいのでしょうか。部下は安心して業務に専念できるため、働きやすいんだと思います。
「好かれるリーダー」より「やりきるリーダー」。刺さりますね・・・
あの資料とデータが見つからないぞと顔をゆがめ、非効率的だと言うことが分かっていながら力技で急場をしのぐ。トラブルが起きたらあたふたしてしまい、そして余裕のない過密スケジュール。。
こんな状況では成果は安定しません。
さっそく取り入れたい要素が山積みです。
また、本書では随所に、経営者や偉人の名言が紹介されていて、個人的には、この2つが良かったです。
「ハッカーの道とは、持続的な改善と反復を積み重ねていくこと。ハッカーとは、物事は常に向上できる余地があり、完璧なものは何もない、と信じている人のことです。」(マーク・ザッカーバーグ)
「同じ決断を二度するな。最初の決断に充分時間をかけて確固たる決断を下せば、同じ問題を二度考えずに済む。」(ビル・ゲイツ)
確固たる決断。改善と反復の繰り返し。どちらも重要な考え方なので肝に銘じたいと思います。
以前足を運んだアート展で、手描きの東京駅の図がありました。米粒みたいに小さく描かれている人間までこだわっていて、思わず感嘆してしまいました。こういうのを目にすると無性に自分でも描いてみたいという気持ちになります。いつか真似して、なんとなくやるんじゃなく、計画的に「やりきりたい」と思います。