sideburnzzのブログ

転職支援会社勤務。細く長く浅く広く生きています。特技は壁にぶつかるともっときついことに挑戦しようと、トレイルランニングやウルトラマラソンの大会にエントリーすること。

信越五岳110km完走記〜迫る台風。掌に枝が刺さった痛みを帳消しにした股ズレ

前回に続き、過去出場レースできつかったけどまた参加したいレースを紹介していきます。過去のSNS投稿をリライト。信越五岳トレイルランニングレース110km完走できました。豪雨の影響で途中で102kmくらいにルート変更。距離も長いが文章も長いですすみません。

 

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斑尾、妙高、黒姫、戸隠、飯縄の信越エリアの5つの山を結ぶコースを22時間制限で走る工程は、林道や川沿いなど走れる部分も多いが僕の脚力では余裕はなくトレイルで100km以上は初めての挑戦。去年はペーサーで参加して運営も景色も最高。(毎年申込スタートから約2分で全て満枠という人気度ぷり)

 

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台風の接近で終始ほぼ雨。中止にならないことを祈り波乱万丈のレーススタート。

第1の山の斑尾のゲレンデからのつづら折りの降りが既に泥沼状態。そこかしこでランナーたちは尻もちをつかないように両脚で踏ん張りながら前進するも全員転び、中には「もうやだ…」とうなだれながらウォータースライダーのように10mくらいコース沿いに滑り落ちて行く人も。大半の人がここで筋力も精神力も消耗。僕も尻から何度も素っ転び掌を細かい草で擦りまくる。トレイルランは年齢層が比較的高めで家族や職場などではおそらくそれなりの威厳を保ち、敬われていると思われる人たちも自然の前では「こりゃだめだ〜」「ぐうぁ」と言いながら泥まみれになっている。

 

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途中、蜂の攻撃でコースのそこかしこで毒抜きをしている光景があり、先を急ぐ。本当に黒いウェアを装着してる人が狙われたそう。怖いのでこの後60km過ぎの着替えポイントまで半袖白Tシャツ1震えながら走ることに。第2の山、妙高。雨が強くなり、一歩一歩慎重に進む。川沿いを上流に向かって延々と走るところがあり、早くも歩き始める。このままずっと走り出せなかったら完走できないな、と少し不安になる。

 

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51km地点の第1関門(4A)を1時間くらい前に通過。まだ半分。脚はまだなんとか平気だけど去年後半の登りがエグかったのを憶えているのでなるべくオーバーペースにならないようにする。

第2関門(5A)は笹ヶ峰グリーンハウス。関門時刻を30分勘違いしていたことに加え、悪天の影響で閉鎖時刻をさらに30分繰り上げるという発表があり焦る。着替えと補給を急ぎで済ませて締め切り7分前に出発し貯金ゼロ。かつ関門を突破できなかった方が大勢出たようで、急にほぼ最後尾に…。

 

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第3の山、黒姫の何かの土管?の脇を延々と登り続けるコースに前後のランナーの息が荒くなる。戸隠神社を目指す登りで日没、ライト装着。豪雨になり、暗闇から泥水が勢いよく流れてくるトレイルを登る状況に。そこでたまらずリタイアをスタッフさんに申請しているランナーも目に入る。

 

沼がどんどん増えてきてアマゾンの様相を呈してくる。行ったことないけど。膝上に達した巨大な泥の池を進んでいたら脚をとられてバランスを崩し、手をついたところに尖った根の先端。親指の付け根が深めにパックリ。真っ暗闇の中、独りで悶絶&激痛。次のエイドまで傷口を舐めながらだましだまし進む。「顔や掌に刺さったりしなかっただけ不幸中の幸いととらえよう」と自分を鼓舞するが寒いし暗いし痛い。家に帰りたい…

次のエイド(6A)で長めに休んでいるとインスタで知り合った方から「ゴールで会いましょう!」と声をかけていただき青い顔で「はい!」と痩せ我慢する。出発してしばらくしてふと傷口を見るとさっきより出血がひどい。次のエイド(8A)までまた泥々の登りで両手を使う光景を想像し、泣きそうになりながら出発したばかりのエイドに引き返し、すれ違う何人かのランナーから「?」という顔をされる。

「応援してくれてる仲間たちやラン友の方々には何て言おうかな、"怪我だし仕方ないよ"て慰められるんだろうな」と思いながら救護テントでスタッフさん?に「怪我してリタイアしたいんですけど…」と蚊の鳴くような声で伝えると、「とりあえず傷口を見せてください」と医師に引き渡され消毒、テーピングに加え、「いいものあげるよ」とビニールの手袋を差し出される。「30kmくらい走れるだろー(それでもリタイアするの?)」と背中を押してもらう。

もう一度走るチャンスをもらえた!と思い、8Aの最終エイドまで50分くらいの貯金で到着。5つ目の山の飯縄を登る工程がカットされたので完走はできそうだと少し安心。安心したのもつかの間、過去最大級の股ズレ。丸一日雨の中100kmも走ってたら仕方ないのかもですが他の人は平気なんでしょうか?

暗闇なのを良いことに最後15kmくらいはずっと短パンを引っ張りあげながら前進。脚の張りと手の傷の痛みが吹き飛ぶレベル。「あいつ漏れそうなのかな?」と疑われないように最後の力を振り絞り、手をあげながらゴールテープを切りました。今回は天狗も女の子の霊も見えませんでしたが、ゴール後にとってもらった写真が幽体離脱気味で焦りました。

 

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大勢の運営スタッフ、ボランティアの方々や応援の参加したり応援にきてくれたラン仲間に感謝です。豪雨の中、ランナーが道を間違えないように半日以上山中の暗闇で立ちっぱなしの方も大勢いらっしゃったと思います。機会をいただければまた参加したいレースです。